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おじいちゃんの行方
警備員の言った通りに、受付の横のサービスセンターを僕たちは尋ねた。
早速おじいさんの行方について話したところ受付の人が対応してくれることになった。
「名前と住所や細かい服装などを記入してください」受付の人の素っ気なさは少々彼女には厳しいなと思った。
「はい」と少し自信なさげな声で彼女は返事をした。
一通り記入が済むとお掛けになってお待ちくださいと言われた。
図書館の中にサービスセンターがあることに驚いたが、受付の横にあるポスターで疑問はすぐに解決した。
そこには「昨今当館内において、行方不明者が後を絶ちません。それに対し、当館は不明者サービスセンターを設けました。また防止のため、こまめに連絡をお取りいただきますようお願い致します」と記されていた。
どうやら受付の人によると2年前の6月付近から図書館での行方不明者が多く、それを見かねた館長がサービスセンターを設けたらしいのである。
受付のベンチに座りながら待っていると、数分後僕たちは呼び出された。
彼女は悲しみの表情をするよりなぜか悔しそうな表情をしていた。
「お待たせしました。今調べましたが館内にはいないようです。お力になれず申し訳ありません。」受付の人は彼女の表情を見て察したのか。同情しているようにも見えた。
そして彼女と僕はなんの成果も得られず図書館をあとにした。
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