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その言葉に。耕平は、とっさに何も返すことができなかった。タオルを持っていて、トイレに来ましたと言い訳ができる状況でなかったというのもあるが、それだけではない。
美しかったからだ、あまりにも。
幼い少女ながら、彼女の肉体はまさしく“女”としての淡い素質を備えていた。まるで発光しているのかと思うほど体全体が真っ白なのである。雪の精霊が舞い降りたようなその体は、僅かながらふっくらと胸元が膨らんでいた。綺麗な、小さなお椀型の中心には、ぷっくりと可愛らしく小さな蕾が鎮座している。
そして幼いながらに確かにくびれた腰と、健康的な肉付きの腿。それから――まだ一切毛の生えていない、淡く色づいた股間の筋。まるで芸術作品そのものだった。全体的に水滴で濡れぽたぽたと雫を落としているのがますます扇情的である。
「おじいさん?」
そんなつもりは、一切無かった。自分は六十代の男で、目の前にいるのは十歳にも満たない少女。今まで女に興味を持ったことはあっても、二十代が精々で、こんな小さな子供に性的欲求を抱いたことなどなかった。
そう、なかったはずなのだ――この瞬間までは。
――どうせ、殺されちまうんだ、この子は。
耕平の頭の中で、悪魔が囁く。
――だったら、その前に……ちょっとくらい、味見したっていいだろ。いいじゃねえか、俺だって、いい思いくらい。
無垢で純潔な少年少女を浚え――そんな幹部からの言葉は、都合よく頭からすっぽ抜けていた。
この年で、未だに童貞。女といい思いなんか、妄想の中でしかしたことがない。本物を体験する機会なんてどうせ一生巡ってこない。そう思った瞬間、脆い理性はあっさりと瓦解していた。
「きゃっ!」
手に持っていたタオルを彼女の顔に投げつけ、怯んだところで一気に距離を詰めた。彼女の首を掴み、バスマットの上に押し倒す。ごん!と頭を強かに打ちつける鈍い音がした。悲鳴が聞こえたがおかまいなしだ。右手で彼女の首を掴んで(片手で簡単に握れてしまうほど細い頚だった)、暴れる少女の足の上に座り込む。体重九十キロを超える巨体にのしかかられ、少女の体がみしみしと軋むのがわかった。
「お、おじいさっ」
「黙れ。お前がいけないんだ」
服の上からでは分からなかった胸の膨らみを、左手で乱暴に掴みあげる。痛い、という声が聞こえたが無視をした。小さいながらも、とても綺麗な形をした胸だ。強くもみしだいていると、反射なのか段々とその先っぽが固くしこってくる。ぺろり、と右胸の方の飾りも舐めあげれば、痛みとは違う声が上がった。
「感じてんのか。小さくても、女は女だな」
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