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沢田先生に誘われマラソンを始めて一週間。
朝は余裕がないので仕事が終わった後、午後7時から8時まで約1時間、俺は豊平川沿いの河川敷にあるマラソンコースを走った。
沢田先生は陸上部の指導に熱心で、俺と一緒に走ってくれたのは一度きり。
「なかなか筋がいいですね。フォームも特に問題なさそうです。欲張って速く走ろうとか長く走ろうとせず、このまま2週間は同じペースで同じ距離を走って下さい。」
そう言われたので忠実に守っている。
午後8時以降は何もしないと決めた母は、8時半過ぎに俺が夕食を食べに行くと、既に眠っていることもあった。
ところが、ある夜、俺が実家に着いたのは午後9時を回っていたにもかかわらず、母はニコニコして味噌汁をあたため、よそってくれた。
「どうしたのさ?今夜は。何かいいことでもあったのか?」
母に尋ねると
「ふふふ・・・今日の福ちゃんねる聞いて、考えを改めたの。」
と言う。
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