夕立に五月雨の拍手を。

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夕立に五月雨の拍手を。

 「雨だ」夕暮れ時、空を見上げると、太陽に照らされた雨が、音もなく、降っていた。ふと、視界のはしに映った、白い獣の尻尾に、唖然とした。  「きつねの、よめいり…?」  つぶやいた言葉に振り返った白い獣は、夕立のなかで、きれいに笑っていた。  わたしこれからおよめにいきます。聞こえた声に、パチパチと拍手した。おめでとう。
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