13 楽園の庭

6/7
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
 すごくびっくりしたけど、不思議と嫌ではなかった。  何だろう、この気持ち。  ふわふわするような、胸がときめくような……。  まさかこれが俺の初恋!? 「ん……は……」  長い口付けが外されたとき、俺は大きく息をしてしまった。  自分の心臓がばくばくとすごい勢いで脈打っている。  真っ赤になった俺を見て、ジュリアーノが一言告げた。 「決定ですね」  レオナルドはそれだけで息子の言いたいことがわかるらしい。うんうんと満足そうにうなずいた。 「決定だな!」  俺は焦って二人を見やる。  ええ!? 何を二人で決めたのか。  養父と青年は、俺そっちのけで二人で話をし始めた。 「うちにカルロの部屋を作らないといけませんね」 「二階の南の角部屋が空いてるから、そこをカルロ用にすればいいだろ」  あー、何かまた二人だけで話が進んでいる。  しかもいつのまにか俺のために、この館に部屋を作ることになってるし。  この人たち、話が早すぎる!  強引グ・マイウェー親子だ!
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!