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まだ顔が赤い俺は席を立つと、二人にバイバイと手を振った。
「ま、その話はまた後でゆっくり考えて! 俺はもうそろそろ家に帰らなきゃ。それじゃあ、またね!」
そしてその場から走って逃げ出したんだ。すたこらさっさと。
これ以上ここに居ると、次に何が起きるかわからない。
後ろからジュリアーノの声が聞こえた。
「カルロ、さようなら! 必ずまた会いましょうね!」
レオナルドの大きな声が続いて聞こえてくる。
「そのときは店まで迎えにゆくからな! 待ってろよ! 逃げても無駄だぞーー!」
「どこまでも追いかけますからねーー!」
俺は背後から飛んでくる親子の声に、振り返らずに走り去っていった。
ひぃぃ~~~!
この二人、俺の生活に強引に入り込む気だ! しかも逃げ切れない気がする……。
その頃になってやっとはっきり気がついた。
俺ってば、悪魔並みにとんでもない親子に捕まっちゃったということに。
(ミラクルヘブン/終わり)
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