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2 貴族だなんて聞いてない
レオナルドの運転するアルファロメオは、なだらかな山道に入って、しばらく走ったあと門をくぐった。
脇に糸杉の生える車道を走っていると、一般にある、ごく普通の家が見えてきた。
俺はてっきりそこで車を止めるのかと思っていたら、レオナルドは目的地の家を前を、するするっと通りすぎた。
あれれ?
「さっき通り過ぎたのは違う家なの?」
「あれは離れの使用人の館だ。本館は別にある」
あっさりとレオナルドが答える。
この家がアレッサンドリの家だと思っていたんだけどな。
勘違い?
俺の頭の中は疑問符でイッパイ。
叔父さんのうやうやしい態度。
気軽に運転しているこの高級車。
玄関から車で走っても、家が見えない敷地の広さ。
使用人の館があるところ。
この兄さんって、俺が思っているよりお金持ちだったんだ……。
うっどうしよう。緊張してきた。
俺ってば、生活ランクの全く違う場所に飛びこんじゃったのか? いや、土地だけがあるっていう場合もあるし…。
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