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「あのう、もしかしてレオナルドさんの家って、すごく立派ですか?」
おそるおそる聞いてみる。思わず敬語になってしまう。
レオナルドがこともなげに答えた。
「レオナルドでかまわない。私は11代続く貴族の当主をしている。本邸はローマで、ここは別邸のひとつだ」
「えぇ! 嘘ぉー!」
俺はびっくり仰天した。
じゃあこの男前兄さんって、本物の名門貴族じゃん!
そんなの全然聞いてないよ!
「そんなに驚くことか?」
「だってジーンズとか履いてるし! うちの店に食べに来るし!」
「貴族もピンキリだ。この服は趣味だ。こっちの服装の方が気楽でいい。フォーマルスーツも着るが、堅苦しいのは苦手だな」
そ、そうなの? ま、確かに俺も堅苦しいのは苦手だけどさぁ。
レオナルドが続けた。
「お前の店に食べにゆくのは、ここから一番近くて、美味いからだ。特にボロネーゼが絶品だな。うちのシェフには出せない味だ」
叔父さんが腕によりをかけてるからな。
うちの店に高い食材はないが、ボリュームなら負けません。
この人、味覚も庶民なんだなぁ…。
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