3 楽園には秘密がある

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「それじゃ、俺の来た意味がなくなっちゃうよ!」  俺が焦ったように言うと、家政婦さんは初めて、少し目元が笑った。  軽い笑いを含んで返事をする。 「まぁ、それはいかがいたしましょう。では、庭や池を散策してはいかがですか。ここの庭は名庭ですよ」  庭散策かぁ、わ、じじくさい。  ま、いっか。考えても仕方ないし。他にすることもないし。  本人が会うことを嫌がってるんじゃ、どうしようもないしね。  家政婦さんの持ってきたサンドイッチにりんご、コーヒーの朝御飯を一人で食べた。  それから玄関から出て、庭を散歩する。  庭は大きな池を中心に、糸杉やオリーブ、レモンの木、かえで、ポプラなど、緑豊かに様々な木が茂っていた。  広々とした緑の芝生には、小鳥や孔雀やウサギ、その他いろんな動物が放し飼いにされている。  日がさんさんとさして、風がよく通って……。  庭にいるうちに、落ち着かなかった気持ちが、穏やかに静まるのを感じた。  なんか、すごく平和だな……ここ。  エデンとか、天国みたい。  都会の喧騒から、切り離されたように静寂な空間だ。
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