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しかし、散策も終わる昼ごろには、俺はすっかり退屈した。
木陰になった緑の芝生に寝転がる。
貴族ってこんな退屈な生活なのかな。ヤダネー。
俺、こんな生活を三日間もしたら腐っちゃう。
とにかくヒマでヒマで仕方がないよ。
このまま、昼ごはんも一人のかね。夕ご飯も一人……。
そんなのは嫌だ。
俺はビンゴ! といいことをひらめいた。
そうだ、来る途中にあった使用人の館だ!
こっちじゃなくて、向こうの館に行って食べよう。
人数が多くて賑やかな方が楽しいし。この家の話が聞けるし。
というわけで俺は早速、昼ごはんを使用人の館で取ることにした。向こうの台所に顔を出したときは驚かれたが、焼きたてのアップルパイをもらったりして、すぐに皆と打ち解けて仲良くなった。
いろんな事を話すうちに、俺はひとつの事に気が付いた。
使用人の皆が、俺に隠していることがある。
レオナルドの息子のことだ。
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