4 あなたは天使で異星人

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 それからどれくらい時間がたったのだろう。  誰かが、柔らかく歌っているのが聞こえた。  高く涼やかな声。 「Et vidit Deus lucem quod esset bona et divisit lucem ac tenebras (エト ヴィデト デウス ルケム コウド エセト ボナ エト ディヴィスト ルケム アク テネブラス)」  聞き慣れない言葉が俺の耳をくすぐって、眠りから覚めた。  教会の詠唱みたいに、柔らかな高低をつけた歌みたい。  うーん、何、言ってるんだろ。  ぱっちりと目をあけた。  外はもう朝になっていて、眩しいくらいに朝の光が差し込んでいた。爽やかな青い空に、雲がいくつか浮かんでいる。  目をやると、天井近くに小さな白い十字架がかかってるのが見えた。  そこでここがあづまやで、同時に祈りの場所だったことに気が付いた。
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