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そしてあづまやには、俺以外にもう一人の人間が居た。
すらりと背の高い、金髪の神父さんだった。
黒い革表紙の聖書を片手に、白い大理石の椅子に座っている。
最初に目に入ったのは、金のロザリオを下げた純白の僧服。
それと、嘘みたいに綺麗な顔だった。
気品のある顔っていうんだろうか。
ゆるくウェーブした輝く金の髪。透き通るように白い肌。淡い灰のうるんだ瞳には、細い銀の眼鏡をかけている。すっきりとした鼻筋に、ピンクの頬、形のいい唇。
こんな綺麗な人を見るのは初めてだった。
驚いたのはその存在感だ。彼の周りにキラキラっと光が出ているみたいな。頭には光輪、背には白い羽が似合いそう。
朝の光を浴びながら、おっとりとこちらを眺める彼の様子には、星が降るような高貴さが感じられて、俺はもう一目見たら忘れられなくなっちゃった。
わぁぁ、天使の降臨だ。
ラファエロとかガブリエルとか、そんな感じ。
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