4 あなたは天使で異星人

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「あの、イタリア語分かる?」  思わず聞いてしまう。  彼はちょっと笑って、ふと俺から視線をそらすと、遠くを見ながら呟いた。涼やかな綺麗な声で。 「私は長く失われしものが、いま与えられたと知りました。満ちる時は来なくとも、渇きは癒される日は近いと」 「……は?」  その人の言葉は一応はイタリア語だった。  けれども俺は目をぱちくりしてしまった。  何? この天使、何言ってるの!?  困ったぞ。  外国語を言われたぐらい意味わかんないぞ。  もう一度聞こう。なにしろ会話が成り立たない。 「あの、もっと簡単に言ってくれないと、俺、言ってる意味がわからない……」  俺の心底困った顔を見ると、天使神父はちょっと眉根を寄せて、しばらく考えてから口を開いた。 「つまり、気にしてないということです」 「あー、そりゃ良かった」
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