4 あなたは天使で異星人

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 この人は何か変わってる。意図が読めない。  一般の人よりワンテンポどころか、ツーテンポもスリーテンポもズレている。天使が喋ったらこんな感じなのかも。  ああ、分かった。  ここはやっぱり天国だ。  レオナルドは、この人のために天国を作ったんだ。  この天使を閉じ込めるために。  いや、いや、つい頭がトリップしてしまった。  俺は頭をプルプルと振って、現実の世界に頭を戻した。  目の前の青年を見ていると、つい、魔法をかけられたみたいに、想像が浮世離れしてしまう……。魔性の坊さんだ。すごい。  礼拝なんか開いたらモテてモテて仕方が無いだろうな。  ま、俺もヒマでヒマで仕方が無いし。  今日はこの人に遊んでもらおうっと!  ふと天使神父は、優美な動きですっと立ちあがった。  そして細く長い指で、庭の池を指さした。 「あなた」  俺に声をかけて、続けた。
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