4 あなたは天使で異星人

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「つまり、この世界に光が生まれたときに、悪魔も生まれたんです。二人の戦いは今も続き、世界の終末のときに決着がつくと言われています」  おお、これなら何とか分かりそう。  しかし世界の始まりのときから、終わりのときまで戦ってるなんて気が長い話だな。とても付き合いきれん。  魚はうまい具合に釣れた。今夜の夕飯は魚に決定!  俺が水をはったバケツに魚を入れている間、青年は心ここにあらずといった風に、池を眺めていた。  その綺麗に整った顔は、ここではないどこか遠くをみているようだった。  その顔にぴったりの涼やかな声で聞いてくる。 「悪魔に、人間が勝てると思いますか……?」 「う、うん……?」  俺は返答に困りながら返事をした。  ああ、またちんぷんかんぷんです……。  もう会話は無視することにした。  異星人と話すのに肝心なのは、ハートだ、ハート。
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