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5 天使の銃弾
夕方から雲が出てきて、夜には雨が降ってきた。
窓の外の雨音を聞きながら、俺はベットでうとうとと眠っていた。
時間は深夜ごろだった。
窓の外から、車のエンジンの音が聞こえた。前にも聞いたことがある、レオナルドのアルファロメオのエンジン音だ。
エンジン音は門の方向からやってきて、玄関のあたりで止まる。
夢うつつに、やっとレオナルドが帰って来たんだ、と思った。
これで息子のことが聞ける……。
どうして俺をここに呼んだのかも……。
起きようかとも思ったけど眠くて、俺はすやすやと眠っていた。
どれくらい時間がたっただろうか。
突然、静寂を貫くような銃声が聞こえた。
不穏なものを感じて、俺はすぐさまベットで目を覚ます。
銃!?
どこで発砲したの?!
銃声がしたのはすぐ側、屋敷の中からだ。
俺はすぐさま飛び起きた。服を急いで着る。
窓の外に向かって何か叫ぶ声が聞こえた。
誰かを呼び止めるような、必死で切ない叫び声。
レオナルドの声だ。
どうしたんだ!?
窓に駆け寄ると、雨の中を走る人影を見つけた。
朝にあずまやで会った神父だ。
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