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最後についに根負けしたのは、相手の方だった。
小さくため息をつかれる。
「ふう……。仕方ないですねぇ……」
むっ。まるで俺がだだっ子みたいだけど、違うんだ。
オカシイのはコイツの方だ。
人、それも親を撃って逃げるなんて、犯罪だ。
「レオナルドの命には別状はないと思います。適切な処置をすればね」
「なんで、銃なんて持ってたの? どうして撃ったの?」
「それは、あなたには関係のないことです」
つんと拒否されて、胸が痛かった。
しばし考えた。
レオナルドは、人を撃つ性格じゃない。
この人も、人を撃ちそうにみえない。
だとすれば、事故だ。
「もしかして、自分で死ぬつもりだった?」
「………」
「その為に銃を準備していたの? それがレオナルドに見つかった?」
「あなたには関係のないことだと、言ってるでしょう……!」
叱るようにぴしりと言うと、彼は黙りこくって背を向けてしまった。その態度が、「はい」と言っていた。
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