1 スカウトされました 

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 厨房で働いているピエトロ叔父さんが、大笑いしながら答える声が聞こえた。 「はっはっは! そんなガキなら、いくらでもくれてやるよ!」  おおい、叔父さん!  子供だからって勝手に俺を無料にしないでくれ!  もぅ、俺ってばひどい言われっぷり。  美形兄さんは笑って満足したのか、俺の頭をぽんぽんと軽くたたいた。 「美味かったよ。ごちそうさん。じゃあな! 坊主!」  彼は多めのチップをテーブルに置くと、店を出ていった。  彼が帰ってすぐに、俺は厨房に走った。  忙しそうに皿の盛り付けをしている叔母さんに、こそっと聞いてみた。 「ね、あのお客さん、誰? 何なの?」  興味津々で聞いてしまう。  叔母さんは店の客に詳しい。常連のことなら大抵知っている。  叔母さんは料理を盛りながら答えた。 「あの方はアレッサンドリ家のレオナルドさんだよ。時々うちに食べにくるね」  それを言われて思い出した。  アレッサンドリ家なら見たことがある。  店から少し走った先は林になっていて、深い緑の中に一件の小さな家がぽつんと建っている。  確か、あれがアレッサンドリの家だって聞いた事がある。
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