1 スカウトされました 

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 顔をそちらに向けると、レオナルドが一人の身なりの悪い大男に絡まれていた。金品を脅されてるのか、背中を車に押しつけられている。 「レオナルドさん!」  声をあげると同時に、俺は彼らに向かって駆け出していた。  大男と、レオナルドの間に入ると、彼をかばうように両手を広げた。大男を正面から睨みつける。  大男は、近所に住むジュゼッペだった。  素行が悪くて、最近は無職で荒れている。  俺は威勢よく、大男に向かって叫んだ。 「ちょっとジュゼッペ! この人から盗るのは止めてよ! うちのお得意さんなんだから!」 「やかましい、ガキ! 引っ込んでろ!」  ジュゼッペが怒鳴り、ぶん、とうなりをあげて拳が飛んできた。  岩も砕きそうな拳。当たったらおしまいだ。  すかさず俺は軽く後ろに退いて、ギリギリのところで拳を避ける。  こりゃ、もう戦うしかない。  相手は2メートルありそうな大男。  俺は160センチもないチビッコ。  パワー差は歴然。  さぁ、どうする!
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