1 スカウトされました 

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 力比べになったら絶対に負ける。  俺の素早さと、厨房で鍛えた腕と、背の低さを生かすんだ。  俺はダッシュして、相手の懐に飛び込んだ。  しゃがんでから膝のジャンプ力を加えて、拳をを思い切り繰り出した。狙うのは相手の顎先!  狙いは見事に当たって、ドカァ!!といい音がした。  俺のパンチが、相手の顎下で突き上げるように炸裂した。  ボクシングでいう、右アッパーカットだ。  俺が地面に着地すると同時に、ジュゼッペは後ろ向きにどうっと倒れた。  あ、やりすぎちゃったかな。  つい手加減なしで殴っちゃった。  近づいて見ると、大男は失神している。  脳震盪を起こしたらしい。  車に背をもたれてこっちを見ているレオナルドに、声をかけた。 「怪我はない?」 「酔いが醒めた」  どうやら無事みたいだ。ほっ。  倒れたジュゼッペをずりずりと引っ張って、真向かいの家のドアを開けると部屋の中に放り込んだ。
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