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力比べになったら絶対に負ける。
俺の素早さと、厨房で鍛えた腕と、背の低さを生かすんだ。
俺はダッシュして、相手の懐に飛び込んだ。
しゃがんでから膝のジャンプ力を加えて、拳をを思い切り繰り出した。狙うのは相手の顎先!
狙いは見事に当たって、ドカァ!!といい音がした。
俺のパンチが、相手の顎下で突き上げるように炸裂した。
ボクシングでいう、右アッパーカットだ。
俺が地面に着地すると同時に、ジュゼッペは後ろ向きにどうっと倒れた。
あ、やりすぎちゃったかな。
つい手加減なしで殴っちゃった。
近づいて見ると、大男は失神している。
脳震盪を起こしたらしい。
車に背をもたれてこっちを見ているレオナルドに、声をかけた。
「怪我はない?」
「酔いが醒めた」
どうやら無事みたいだ。ほっ。
倒れたジュゼッペをずりずりと引っ張って、真向かいの家のドアを開けると部屋の中に放り込んだ。
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