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レオナルドが車のドアを開けて、俺の方に振り向いた。
「お前、荷物をまとめてうちに来い。しばらく泊れ。今すぐだ」
「ええ!? 今すぐ?」
「私には今しか時間がないんだ」
突然の申し出にためらう俺に、少しいらいらした調子で、レオナルドが言う。
この人、せっかちだなぁ……。
困った俺は、上手いことをひらめいた。
そうだ!
叔父さんと叔母さんなら、止めてくれるだろう。
俺、未成年だからこんなお泊りは許してもらえない!
保護者ならこんな酔っ払い兄さんのたわごとを上手くかわしてくれるかも……。
俺はレオナルドを連れて、店に戻った。裏口から入って、厨房にいる叔父さん叔母さんを呼び止める。
厨房に入った美形兄さんの姿を見て、叔父さんは急にあわてて帽子を取って挨拶した。恐る恐るといった感じで、レオナルドに尋ねる。
「あのう、うちの坊主が、何かしでかしましたか」
「違うよーっ あのね……」
俺は叔父さんと叔母さんに、先ほどあったことを説明した。
2人は顔を見合わせたが、すぐに神妙な顔つきでうなずく。
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