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「エマヌエーレ殿下、貴方は近い内にウルムの国王になるから、私との婚姻は無理ね」  お見合いの席で開口一番そう言われてウルム国の第三王子であるエマヌエーレは戸惑った。  お相手は隣国バーレのエステル王女、たった一人の王位継承者で彼女はどうしても次世代に血を繋ぐ為に王配を必要としていたのだ。  エステル王女は現在十七歳、年齢的には婚約者が居てもおかしく無い年齢であるが、彼女にはある能力故に未だに婚約者がいない。  それはエステル王女と何人もの貴族の子息がお見合いをする際に、必ずと言って良いほど言う言葉が原因だった。 「貴方の横には必ず別の素敵な女性が現れるから、貴方との婚姻は無理ね」と。  エステル王女にはお見合い相手の『運命の女性』が見える能力を持っていたのである。  その『運命の女性』がどこの誰か...それこそ身近な幼馴染や社交会で出会った女性などなど詳しい所をお見合い相手に教えアドバイスを与える為に陰で『仲人姫』と呼ばれていた。  しかも今の所百発百中当たる為に、国内の貴族の子息達はこぞってエステル王女とお見合いをし『運命の女性』のアドバイスを貰うのである。
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