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「エステル王女の噂、貴族の間では『仲人姫』と有名で王女は見合いをするとその相手の『運命の女性』が見えるとの事だ...そのような能力は預言に当たらないだろうか?」 「ふふ、面白い事を聞いて来るのですね、殿下は...確かにエステル王女にはそのような噂がありますが、『預言』と言うものはもっと大きい事を指すのですよ...例えば国に大きな災厄が起こる事...災害や戦争...そう言ったものです」  司祭長ヨアヒムは含み笑いを浮かべながらそう話すと、エマヌエーレは少し心の中で馬鹿にされたのかと思いややもやっとした気持ちになる。 「そうですね...聖ジョシュアは南のテルニとの戦いがあった時にその預言のお陰で勝利を納める事が出来ましたし、聖レヴィは神に対し不敬虔な民に裁きを伝え、民に神罰となる雹を降らせ大勢の民が裁かれ死に至った事などです」 「確かに規模が違うな...」  しかし、もしエマヌエーレ自身が自国であるウルムの王になるのなら...それ故にこのバーレに危機が訪れると言うことなのか...と頭を過ぎる。 「本日は忙しい中済まなかった、また機会があれば」
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