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 上手くエステル王女に見染められれば王族の仲間入り、そうでなくとも『運命の女性』の情報を得られる為に全く損はない。  そんな『仲人姫』が自国の継承順位第三位、しかも王太子にはもう子が授かっている為に王位は余程の事が無い限り回って来ることはあり得ないエマヌエーレにそう言ったのだ。 「私との婚姻をお考えに無いと?」  エマヌエーレは美しい少女にそう話す。  エステル王女はとても美しい少女だ、白磁のような肌、輝かんばかりの顔立ちで薄桃色の瞳はまるで宝石で出来ているかの様にキラキラとしており、翡翠色の髪はエアヴァルドの伝統の為、肩までしか伸ばしてはいないがさらさらと美しい。  ゆったりめな白に青の差し色の入ったドレス、バーレの王族が身につけるものとのことでとてもよく似合う。  エマヌエーレはこの美しい王女の夫になれるなら、それも悪くないと思っていた矢先だった。 「そうね、私としてはウルム国の第三王子でその能力も申し分無いし、見た目も好ましいけどね」  とまるで見てきたかの様にエステル王女は話すのだ。  見た目...エマヌエーレの見た目は悪くは無い。
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