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その日は夜会が近く行われるという事で、城の中は慌ただしく、人の出入りの多い日であったが、そんな事はお構い無しにエマヌエーレはエステル王女の元へやって来た。
エマヌエーレは一応エステル王女の父であるバーレ国王に城に出向くのを控えた方が良いか聞いた際、いつでも来ても良いと許可を貰っている。
バーレ国王自身もエマヌエーレを好ましく思っており、そのままエステル王女と結ばれて欲しいと思ってたからだ。
今までのお見合い相手達はここまで積極的でなかった分、バーレ国王は期待していたのだ。
「夜会は苦手なのよね」
その日はエステル王女はエマヌエーレを客間に招いてお茶を用意させた。
「偶然ですね、私もです。まぁ私は軍人であまりそういう華やかな場には向きませんのでね」
「そうかしら、一番注目されると思うわ?きっとモテモテよ?」
「エステル王女が私に関心を持ってくだされば、それだけで良いのですがね」
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