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 その台詞にエステル王女は飲んでいたお茶を吹きそうになる。  ちょいちょい甘い言葉を織り交ぜるエマヌエーレに翻弄気味であり、エマヌエーレ自身もそんな初々しさを見せるエステル王女を可愛らしいと思うのだ。 「大丈夫ですか」 「殿下が変な事を言うからよ!もう!」  エステル王女は口をナプキンで拭き取り抗議する、顔は真っ赤である。 「口紅がとれてしまったので化粧直しに行ってきます!」  エステル王女はそう言って従者も伴わずに部屋を飛び出してしまうのだった。 ―――・―――  自室へ一度戻って顔の熱を覚ました後に化粧台に座ってとれてしまった紅を再度のせる。 『エステル王女が私に関心を持ってくだされば、それだけで良いのですがね』  その言葉が頭から離れない。
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