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「...一応彼は私の母方の親族の一人なの、そして東にある国境を守る騎士団を持っているのよ、だから簡単に罰を与えるなら軍事的政治的なバランスが崩れてしまうから難しくてね...」
エステル王女はため息を吐いて、椅子に座りメイドからお茶を出してもらうと、それを口にする。
エマヌエーレは少し考えてから口を開く。
「エステル王女、その男は夜会には参加されるのですか?」
「ええ、きっと父がそうしてると...」
「ならば...」
エマヌエーレは微笑みエステル王女に近寄り跪き、右手を取る。
「その夜会のエスコートはぜひ私に」
「な!」
「その夜会で私と一緒だと印象に残せば相手も諦めると思いますからね、だから是非私をパートナーとして選んで下さい」
エマヌエーレは笑顔でエステル王女に懇願する。
「そんな事したら、貴方と婚姻を考えているってみられるわ!そんなことは...」
エステル王女は出来ない...と言おうとしたが、エマヌエーレのそのアクアマリンの様な瞳で見つめられると何も言えなくなってしまうのだった。
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