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「僕は、この仕事向いてないと思うんだ」
屋根の上、太った猫の背を撫でながら僕は呟いた。猫の目が赤く光り、小さな牙のあいだから声を出す。
「そりゃ、知ってたよ」
「うん……」
「何せこっちは、散々やめておけ──と警告したはずなんだがな」
「うん……」
膝を抱えて、顎を揃えた膝にのせる。猫は僕らの祖国とこの実世界とを繋ぐ、いわゆる電話機みたいな役割を持つやつがいる。あとはコウモリとかも使えるんだけど、あいつらはなかなか捕まえられないから、猫が丁度いいのだ。
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