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高校の夏休みと言えば、もっと明るい色をしているものだと思っていた。 セミの声や地面から見える蒸気に、大きな雲。物は揃っていても、誰かとつるむ事の無い僕には、ただただ暇な時間でしかない。 学校がある方が時間が紛れてマシ。 共働きの親がいる訳でも無く、友達と遊ぶことも無い。 冷蔵庫にある物を使い、料理を作り、子供の頃に好きだった人形を動かしてる教育番組を見ながら一人で呟いてみる。 「あつい」 夕食の買い出しに出かける。
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