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「えっ?」
「死に逃げするのか?」
優が、重ねて言った。
「どんなに辛くても、自殺だけはしちゃいけない。夏美が死んだら、僕も、父さんも母さんも、一緒に死ぬことになるんだよ」
「え……」
夏美が、優を見つめる。
優が、その視線を強く捉える。
「夏美が死んだら、夏美のことを一番愛している家族が……夏美自身が一番好きな家族が、一生立ち直れないほどの苦しみを味わうことになるんだ」
「……お兄ちゃん」
「死ぬんじゃなければ、逃げてもいい。でも、理不尽なことには、一度は、戦ってから逃げなさい」
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