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私はスマホのメッセージアプリの画面を凝視した。 そこにはバスケットボールのアイコンと大好きな人の名前。 極度の方向音痴な私は高校の入学式の時も迷子になっていたのだ。 広い学園内、つい大きな桜の木に見とれてしまい他の新入生達とはぐれて しまったのだ。 鐘の音で気づいた時には遅かった。 困り果てていた私の前に突然上から天使が舞い降りた。 綺麗な金髪、整った顔立ち、少し青みがかった瞳。 私は驚きよりも心が震えた。なんて美しい人なのだろうか。 その天使が私に声をかけているのにも気づかないほど見とれていた。   「……か?」 自分の顔の前でその人がしきりに手を振っている。 「おーい、大丈夫か新入生?」 ようやくハッとした私に怪訝な顔をした男の人。 「あっ、はいっ!!!」 「変な奴だなぁ、お前。こんなとこで何やってんだ?もう入学式始まってんじゃないか?」 「そ、それが…ここどこですか…?」 恥ずかしさと困惑した表情で尋ねた。 「もしかして迷子ってんの?」 笑いを少し我慢した声色だった。それにより顔が赤くなっていく。 (……恥ずかしすぎる) その人は笑いをこらえながら体育館の場所を教えてくれた。 「じゃあな、迷子ちゃん」
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