バケットバッグ

2/7
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 私は地元ではある程度名の通った会社の社長の娘で、欲しいものもいらないものも持ってるいわゆる「お嬢様」。  一方美奈は十歳の時父親が失踪して、雨が降ったら必ず雨漏りするようなボロい家に母親と二人で暮らしてた。  私はそんな美奈をかわいそうに思って、何かと気に掛けてあげた。明らかにサイズの小さくなった服を着てたら私のクローゼットの中からいらないのをあげたり、パパの取引先がよく手土産に持ってきた、嫌いなレーズン入りのお菓子をママが私のところに持ってきたら必ずあげた。美奈は勉強はできたから、テスト前には特別に高級店のケーキを持ってった。高級和栗のモンブランを食べた時の美奈の幸せそうな顔は今でも覚えてる。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!