高崎 明翔との対決オン運動場

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高崎 明翔との対決オン運動場

 体育の時間ももう後半だ。運動場に出て、スポーツテストの続きを行う。 「うっし! 33メートルー!」 「おおー、やるなあ、颯太!」  ハンドボール投げである。  俺、これ正直苦手……いや、運動しか取り柄のない俺に苦手などない!   てか、俺的に苦手でも周りと比べれば全然上位なのに、このふたりが一緒だと苦手意識になっちゃうんだよ! 「いや! やる! 俺はできる!」 「がんばれ、深月ー!」  いや、勝負だって言ってるのに応援してくれちゃうのかよ。何なんだ、明翔は。 「でやー!」 「呂久村、36メートルー」 「やったー!」  人生最高記録~。今まで35メートルが超えられなかったんだよな。  いいライバル出現で、俺も好記録出しちゃったわ。この俺にかかりゃあボール投げるくらい苦手でも何でもねーわ。 「高崎、40メートルー」 「げっ」  振り返ると、明翔が腹をさすっている。 「あー、腹」 「減ってんだな、お前は腹が減ってるんだよな」  空腹でこの記録って、マジで何なんだ、明翔は。  い……いや、そう言えば明翔は中学時代は野球部だったんだから、球投げるのは明翔の得意分野なはずだ。腹減ってても俺が勝てなくたって無理はない。 「次は、立ち幅跳びか」 「ふっ、カエルの異名を持つ俺の跳躍を見せてやろうじゃねーか」 「適当言うな、深月。そんな異名はお前にない」 「颯太と深月って、中学同じだったの?」 「幼稚園からの幼なじみだよ」 「へー、幼なじみ」  男子高校生の幼なじみって美少女JKが鉄板だよな。もちろん、俺もそっちが良かったよ。こんな隠れヤンキーじゃなく。
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