高崎 明翔はボーダーレス

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「おー、ギリセーフ~。最後の1個食う? 颯太」 「え? これお前が食った串だろ? いらねえ」 「なんでー、団子うまいのにー」 「団子はうまそうだけど」  普通は男同士で間接ちゅーだなんて考えねえか、颯太みたいに拒否るよな。  なんで明翔は平気なんだ。  この席になって数日が経つが、どうも明翔は男と女の境界線がない。  男と女どころか、友達と知り合いと他人のボーダーラインもなさそう。誰とでも即お友達になってしまう。  俺は明翔とすげー気が合うなって思ってるし、この数日ですっかり仲良くなったつもりだけど、明翔にとっちゃあその他大勢と変わんねえのかもしんねえなあ……。  って、寂しいってほどのことじゃねえんだけどさ。  何を若干物足りなげに明翔が団子食ってる顔を見てなきゃならねーんだか。 「うまかったね、団子」 「え? ああ、そだな」 「やっぱり、ひとりで食うよりシェアした方が共有感あっていいよね」 「シェア?」  ああ、シェアだったんだ。  だから気にならない訳ね、明翔は。って、だったら間接ちゅーとかいらんこと言うなよ!
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