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ぼくはこの世界を酷く忌み嫌っています。
この世界にとまでは言いませんが少なくとも平和な平凡な幸せな馬鹿な思考を持つことが出来なくなる環境に生まれ堕ちてしまったことはぼくの人生にとって最大の失敗と言えるでしょう。
それでも博愛であれと育てられてきたぼくは困っている人を助け、支え、救おうとしてきました。全ての人を平等に、です。しかしそれは博愛ではありません。ぼくのような人間が完成してしまう前にその人々の道をずらしているのです。奈落の底に堕ちる前に。すぐにぼくよりかは幸せな世界に戻れるように。
ぼくのこの文章に同情なんて要りません。これに同情なんてしてしまうとあなたもぼくを死へと導く使者です。要するに、これを読んでほんの少しでも情を抱いてしまった時点であなたも他人を傷つけているのです。しかし読むのを辞めてしまうことも同じく罪です。ここで投げ出してしまうことも罪です。
そしてこれは教えでもなく説教でもなくただの戯言です。『おはなし』です。フィクションでもノンフィクションでもありません。思考が大切なのです。この世界を愛し、生を謳歌しているあなたへの『おはなし』です。
先程「思考が大切」と描きましたが理解してはいけません。それは間違いです。あなたはそのままでいいのです。何せ今ここに最底辺で生きている、今すぐ死んでもいい人間が居るのですからこんなぼくの『おはなし』を理解しようだなんて思わないでください。流し見でも断片でもここに書かれている何かしらの言葉を読むことだけに意味があるのです。そして思考することに意味があるのです。
そしてあなたが見つけたその小さな言葉の理解を深めることが大切だと思うのです。それらをしない人間でこの世が埋め尽くされる事が何より怖いのです。
笑顔で人を殺せる人間が、そしてそれを意図せずやっている人間が、そこら中に居ることが怖いのです。
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