切なすぎて、愛…

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このことは初耳だった。行成と律が異父兄弟であったこと。いつも産みの母、雪子の店で合流していた。 「会長、役員会議を近々開きたいので必ず出席をお願いいたします。もちろん、社長も」 「行成!お前は何の権限があって…!残りの株は…誰が持ってる…!?」 「あんた、姉さんの夫を何年やってんだよ?会長の娘である姉さんが株を所有してないわけないだろ?これを見たらさすがの会長もあんたを庇うことなんてできないだろうな?柳川さんも。しかも姉さんの友達にまで手を出すなんてどこまでたちが悪いんだよ!」 行成があるものを出して見せた。 律は亜美が結婚する前から英二の素性を探って女遊びが派手だった証拠写真だった。もちろん、奈央と会っている写真も。親友と信じて疑わないため、真実を知ったらかわいそうと思い、亜美の前で伏せていた。 敦郎は気付いていながらもここまで英二が女癖悪かったなんて思っていなかった。 「大松社長…あ、もう社長ではいられなくなりますね?言い逃れはできませんね?あんたは最初から亜美ちゃんを愛してなかったでしょう。社長の座を欲しくて結婚したに過ぎない。城戸ちゃんと本当は惹かれ合ってたなら2人が一緒になっても問題はないのでは?会長」 敦郎は沈黙してしまった。
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