31.大切な連絡

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 (そう)の部屋で、慣れないラインの設定などを教わりながらの作業途中だった結葉(ゆいは)は、美鳥(みどり)からの着信に飛び上がるほど驚かされる。  不安に駆られた目で(そう)を見詰めたら、「大丈夫だ」と励ますように小さく頷いてくれて。  気を遣ってくれたのか、そのまま自室を出て行こうとする。  結葉(ゆいは)はそんな(そう)の服の裾をギュッと握って引き留めると、そのままここにいて欲しいと意思表示してから、緊張に震える手で応答ボタンをタップした。  母親と話すだけなのに、一人にされるのが、何だか凄く不安だったのだ。 「――もしもし?」  恐る恐る音声通話を受けたと同時、美鳥(みどり)が『ゆいちゃん、……何かあった?』と何の前置きもなしに単刀直入に切り込んでくる。 「えっ、あ、あのっ――」  きっと、いきなり電話番号が変わって。その上その連絡をしてきたことが美鳥(みどり)を不安にさせたのだろう。  そんな美鳥(みどり)の懸念は間違いなく正しくて――。
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