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「その言葉がもし偽りだったら……。俺、そん時は容赦しませんから」
言って、偉央が何か言い返してくる前に、想は結葉に声を掛ける。
「結葉。くれぐれも無理だけはすんな。お前、昔っからひとりで何でも抱え込みすぎるトコがあっから俺、すげぇ心配なんだよ。何かあったら絶対誰かに相談しろ。んでもって遠慮なくそいつに頼りまくれ。――いいな?」
旦那の目の前だろうが、何だろうか知るか!と思ってしまった想だ。
何となく、いまのまま結葉を放置しておいたらいけない気がして。
想は、偉央の神経を逆撫でするであろうことは重々承知の上で、「旦那に相談しろ」とは敢えて言わなかった。
旦那が来ただけであんなに一気に縮こまってしまった結葉を見て、そう声を掛けるのは何かが違うと直感的に思ってしまったのだ。
想の懸念が杞憂ならば、結葉は「想ちゃん、心配し過ぎだよ」とヘラリと笑いながら返してくれるはずだ。
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