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「俺、部外者なんでよくは分かんねえけど……御庄さんの奥さんは俺にとってもすげぇ大事な奴なんで……その、余計なお世話だとは思いますが――宜しく頼んます」
心の中で「頼むからアンタに嫁がせて良かったと思えるくらい大事にしてやってくれ」と付け加えた想だ。
偉央と結葉を見ていると、お互いに想い合っているようには見えるけれど、何故か結葉に陰が多すぎるように感じられて仕方がない。
(俺の知ってる結葉は……確かにおっとりはしてっけど、もっとフワッとした明るい笑顔を見せてくれる奴なんだよ)
断じて、今みたいにどこか泣きそうな暗い笑顔を見せる女じゃなかった。
始終オドオドと何かに怯えているように思えるのは、自分の考えすぎだろうか?
「言われなくてもそのつもりですよ」
言葉こそ丁寧だったけれど偉央のまとう空気がピリッと張り詰めたのを感じた想だ。
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