746人が本棚に入れています
本棚に追加
あとは本体自体が小さめで、片手で持つのにも適しているというのが、手の小さな自分には向いている気がしたのだ。
画面が大きい方が見やすいのかもしれないけれど、持ちにくいのは好きじゃない。
色は白、黒、青から選べたのだけれど、一番無難そうな白にしておいた。
「ピンクとかあったら結葉ちゃん!って感じがしたのにね」
芹は残念そうにつぶやいたけれど、結葉は正直何色でも良かった。
(私、また自分のスマホが持てるんだ)
もうそれだけで、ワクワクしてしまう。
芹の説明だと、Wi-Fi下にいれば、通信費もほとんどかからないらしい。
「好きな映画やドラマやアニメなんかの動画を観ても平気だからね」
言われて、ずっとそう言うのからも離れていた結葉は嬉しくて仕方がない。
「あ! そう言えばお兄ちゃんの契約だからうちの家族とは通話料無料だから。お兄ちゃんやあたしとはライン使わなくても話し放題だよっ?」
芹にニッと笑いかけられて、結葉は何だか山波家の一員にしてもらえたような気持ちになって、くすぐったくなる。
それと同時、自分の契約ではないから、無駄使いしないようにしないと、って気持ちを引き締めた。
最初のコメントを投稿しよう!