27.芹だって馬鹿じゃない

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*** 「ほい、コレ、な?」  帰宅するなり(そう)から白い小箱を差し出されて、「今日、モールにいるときに気づけば一緒に選べたのにごめんな」と頭を下げられた結葉(ゆいは)は慌てて首を振る。 「が、みんなと同じように〝普通の〟携帯が持てる日が来るだけで夢のようだよ。ありがとう、(そう)ちゃん、(せり)ちゃん」  何気なく言ったら、(そう)(せり)に睨まれてしまった。 「私みたいな人間、って何だよ?」  驚いたことに、結葉(ゆいは)の方へぱっと身を乗り出してきた(せり)よりも先に口を開いたのは、不動のまま結葉(ゆいは)を見据えた(そう)だった。 「え……?」  無意識に口から出た言葉だったから、改めてそんな風に言われると驚いてしまった結葉(ゆいは)だ。
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