27.芹だって馬鹿じゃない

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結葉(ゆいは)?」  棚の前で扉も開けずに固まってしまっていた結葉(ゆいは)を見て不審に思ったんだろう。  (そう)に声をかけられてしまう。 「あ、ごめん。ちょっとボーッとしちゃってた」  言いながら慌てて戸棚を開けて茶筒を手にしたら、(そう)が心配そうに眉根を寄せて、「俺と(せり)がやるからお前はあっちに座っとけ」と言われて手にしたお茶を取られてしまった。  でも確かに、結葉(ゆいは)はこれ以上ここにいても自分は邪魔にしかならない気がしたから。  コクッとうなずくと「二人ともごめんね」とキッチンを後にした。
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