28.初めての夜

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 明日も仕事があるからと(せり)が後ろ髪を引かれるようにしながら帰ってしまって、アパートに(そう)と二人取り残された結葉(ゆいは)だ。  (せり)は食べたものの片付けまでしてくれたから、後は入浴を済ませて寝るだけ。  (そう)は買ってきたばかりの布団を出して「これ、お前の、な? ホントは一旦干してからのほうがいいんだろうけど」と申し訳なさそうに眉根を寄せる。 「大丈夫だよ。(そう)ちゃん」  結葉(ゆいは)はそんなにやわじゃないと自分では思っているのだけど、(そう)は昔から結葉(ゆいは)のことをこれでもかと言うくらい〝女の子扱い〟してくれて、チヤホヤしてくれるところがある。  (せり)と一緒にヤンチャなことをしようとすると、すごく心配されたのを覚えている。
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