28.初めての夜

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***  そんなアレコレをふと思い出してクスッと笑ったら(そう)怪訝(けげん)な顔をされた。 「ごめんね。小さい頃のこと思い出しちゃって」  言ったら、「どうせろくなことじゃねぇだろ」って憮然(ぶぜん)とされてしまった。 「小学生の頃、川遊びしてて三人で転んだことあったじゃない? あれを思い出しただけ」  言ったら「いや、あれ、俺にとっては汚点だからな?」と溜め息をつかれてしまう。  まぁ確かに妹たちを心配して自分が真っ先に転んだとか……(そう)としてはいい思い出とは言い難いのかも知れない。  そう思っていたら「あの後、お前熱出してしばらく休んだだろ。俺がもっとしっかりしてれば、ってめちゃくちゃ後悔したわ」とつぶやかれて、結葉(ゆいは)は思わず(そう)の顔を見つめてしまう。 「(そう)ちゃ……?」  あの時も今も。  (そう)はやっぱり変わらずずっと、結葉(ゆいは)のことを自分のこと以上に心配してくれる。  そう思ったら胸がキュッと切なくなった。
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