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そんなアレコレをふと思い出してクスッと笑ったら想に怪訝な顔をされた。
「ごめんね。小さい頃のこと思い出しちゃって」
言ったら、「どうせろくなことじゃねぇだろ」って憮然とされてしまった。
「小学生の頃、川遊びしてて三人で転んだことあったじゃない? あれを思い出しただけ」
言ったら「いや、あれ、俺にとっては汚点だからな?」と溜め息をつかれてしまう。
まぁ確かに妹たちを心配して自分が真っ先に転んだとか……想としてはいい思い出とは言い難いのかも知れない。
そう思っていたら「あの後、お前熱出してしばらく休んだだろ。俺がもっとしっかりしてれば、ってめちゃくちゃ後悔したわ」とつぶやかれて、結葉は思わず想の顔を見つめてしまう。
「想ちゃ……?」
あの時も今も。
想はやっぱり変わらずずっと、結葉のことを自分のこと以上に心配してくれる。
そう思ったら胸がキュッと切なくなった。
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