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「いつも……私のこと、気にしてくれて本当に有難う」
その気持ちをお礼の言葉に託したら、想がうつむいたまま短く「おう」と返してくれて。
こっちを見ようとしない想が、耳まで真っ赤にしているのに気付いた結葉は、それに当てられて自分まで何だか照れてきて困ってしまう。
「あっ、あのっ、想ちゃん。わ、私も手伝うっ」
袋の中から布団カバーなどを取り出す想を見て、結葉はその恥ずかしさを跳ね飛ばすようにわざと明るい声で勢いよく手伝いを申し出て。
一瞬驚いた顔をした想に、
「……じゃ、敷き布団のほう頼むわ」
って、袋から取り出したばかりのカバーを渡された。
受け取った薄桃色のカバーに描かれた絵柄を見て、結葉は思わず笑ってしまう。
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