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「想ちゃん、有難うね。すっごく嬉しい」
布団カバーが甘めのピンク色を基調としたマイハモは、二五才を過ぎた自分にはちょっと痛いかも知れないけれど、誰かに見せるわけじゃなし。
想が自分のために選んでくれたと思ったら、ただただ嬉しい!と思った結葉だ。
そもそもマイハモは嫌いじゃないから。
結局当たり前のように掛け布団も枕カバーもみんな同じセットもので、並べてみたら、本当に薄桃色の甘めな雰囲気になってしまった。
「ヤベーな、これ」
想が思わずそうつぶやいて。結葉も同感だったので二人して顔を見合わせて笑ってしまった。
「いや、マジ……俺のアパートにコレはかなり違和感だわ」
言われて、結葉も「そうだね」って答える。
想の部屋は基本黒か白で物が統一されているから。
それを思うと、このふんわりピンクはかなり異質なのだ。
「で、布団なんだけどさ」
そこで想がソワソワと視線を彷徨わせるのを見て、結葉はキョトンとする。
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