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「俺のベッドはお前に使ってもらうとして……俺、どこで寝たらいいと思う?」
結葉が寂しくないなら、節度ある距離を保つべくリビングに布団を敷こうと思っている想だ。
だけどあの怯え方からすると、もしかしたら見えるところに人の気配がないと不安なのかも?とも思ってしまうわけで。
それに関しては結葉にしか基準が分からない。
だから想は決めあぐねている。
「あの……想ちゃん。私、ベッドじゃなくて……下でいいよ?」
だけど結葉はそっちに気持ちがいってしまったみたいだ。
まぁ結葉らしいといえば結葉らしい。
「バーカ。お前を床なんぞに寝かせられるか」
畳の部屋ならまだしも、フローリングに敷き布団は結構寒いはずだ。
「お前が下に寝るとなると敷き布団の下にアンダーマットレス買わねぇといけなくなんだけど?」
わざと睨むようにして言ったら、結葉がちょっぴり怯んで。
でもすぐに気を取り直したように言い募ってくる。
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