28.初めての夜

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(そんなことを言っちまったら結葉(ゆいは)が気にするじゃねぇか。馬鹿なのか俺は)  きっとそれを言えば、行くあてのない結葉(ゆいは)は押し黙るしかない。  だけどそんなことを言うのはフェアじゃないではないか。  (そう)結葉(ゆいは)にはなるべく伸び伸びと過ごして欲しい。  いくら彼女の身体を案じてのこととはいえ、結葉(ゆいは)を萎縮させるようなことは絶対に言うべきじゃない。 「……分かった。でも――」  結葉(ゆいは)は渋々といった調子でうなずいてくれて。  でも、と言葉を続ける。 「でも、お願い。やっぱりアンダーマットレスは明日ちゃんと買ってきて? 私のせいで(そう)ちゃんが寒いのはイヤ。もちろん、私のワガママだし、私が買うことにしてツケにしといてくれたんでいいから」  心配そうに眉根を寄せる結葉(ゆいは)を見て、(そう)は小さく吐息を落とす。 「……分かったよ」  結局、自分は結葉(ゆいは)にはとことん甘くて敵わない。  そう思った。
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