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想が自分の目が届かないところに行って……自分一人で寝ないといけないと思うとすごく不安になって。
「常識的に考えたら……別々にって言うのが正しいんだと思う……。でも」
そこまで言って、恐る恐る想の反応を窺うと、想は黙って結葉がその先を付け加えるのを待ってくれていて。
「でも……出来れば……想ちゃんがいるのを感じられる方が……怖くなくて助かり、ます」
既婚者の自分が、独身の――しかも異性である想に、同じ部屋で眠って欲しいなどと言うのは、とても不埒なことだと結葉にだって分かっている。
分かっているけれど、そう願わずにはいられなくて。
「……了解」
想だって、結葉の言葉に思わないことがないわけじゃないだろうに、何も言わずにうなずいてくれた。
「あ、あの――。想ちゃ、ホントに……いい、の?」
ソワソワしながら問いかけたら「いいも何も……お前がその方が落ち着くんだろ? だったらそれでいい」と想が頭をそっと撫でてくれる。
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