28.初めての夜

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「けど。とりあえずその前に風呂だな、風呂」  (そう)が気持ちを切り替えるように言って、「結葉(ゆいは)、先に入ってこいよ。俺、その間に寝床整えとくから」とうながしてくる。  今日買った荷物の中には結葉(ゆいは)用のシャンプーやコンディショナー、それから洗顔料の他に、パジャマも二着ほどあって。  結葉(ゆいは)はコクッとうなずくと、部屋の片隅に袋詰めしたまま置いてある荷物を(ほど)きに向かった。 「あ、そう言えば結葉(ゆいは)の服が整理できるようなもんも買って来とかねぇといけねぇな」  いつまでも袋の中から出し入れでは不便だ。 「ホント、俺って後手後手だよな。すまん」  はぁっと吐息を落としながら謝る(そう)に、結葉(ゆいは)はフルフルと首を横に振る。  生活に必要なものを一気に買うだなんて土台無理な話なのだから、あ、あれも要る、となったものはその都度少しずつ集めていけばいい。 「そんなことない。私、(そう)ちゃんがいてくれなかったらきっと、路頭に迷ってたもん」
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