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今すぐ草の根をかき分けてでも結葉を探し出して連れ戻さねば、と思う一方で、このまま逃げ切って欲しいとも希ってしまう。
相反する二つの思いで、偉央の心はぐちゃぐちゃに乱れていた。
足枷をはめてしまったことで、結葉は両足首に大きな傷を負ってしまった。
それが、普通にしていればそこまで付くことはない傷だと言うのは、獣医師とは言え医学を学んだ偉央には分かっていて。
それなのに結葉を問い詰めることをしなかったのは、自分を傷付けてでも、彼女が偉央の元を離れたいと願っているのだと、薄々勘付いていたから。
だからこそ、今日、偉央は敢えて足枷を外してわざと結葉が逃げられる〝隙〟を作ったのだ。
結葉を自由にしてやりたいと思う自分と、彼女を手放したくないと執着する自分との攻防の中で、足枷を外しておきながらも、服を取り上げるという暴挙に出た偉央だ。
それで諦めて結葉が大人しくしていたなら、そのまま彼女を一生閉じ込めて飼い殺しにしてしまおう。
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